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「後1週間もあるのにね、3千円しかないのぉ~」
天女が、そりゃもうドッキリくる程の妖艶な……嘘泣きを始めた。
え~ン、と泣き声を出すその目には、一粒の涙も光っていない。
そのお美しい面を軽く覆った指の隙間から、チラチラと俺達を伺ってさえいる。
「3千円あれば、1週間位なんとかなります!!」
主夫(夫ではないけど)の立場から言ってやると、む゙〰っと膨れやがる堕天女だった。
上目遣いで俺を見、もうっ、とか言いつつ、
「いっちゃん、冷たい~」
なぞとのたまわりやがりました。
お―い、いつからそんなに親しくなった!?
「いっちゃん……諦めた方が良さそうだよ?」
溜め息混じりに尊が言えば、堕天女様はぱぁーっと素晴らしい笑顔を投げ付けてきた!!
受け取ると同時に投げ捨ててやりたい笑顔だ!!
「たけちゃん、優しい♪」
「わかりました、お分けしますから教室まで一緒に来て下さい!!」
「や~ん、2人共ありがとう♪」
抱き付かれた……。
ぎゅうぅって思いきり抱き付かれたのに、何故だろう……?
ちっとも嬉しくない……。
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