三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

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『只今、お食事中(ハート) ご用がある方は、日下部先生に言ってね?』 と言う札を掛けた保健室の戸に鍵を掛け、小田切先生は俺達の腕を絡めとる。 「さぁ、行きましょう♪」 上機嫌だぞ、この堕天女!? 「「はあ~」」 反対に俺達は、地獄にでも突き落とされた様に暗い顔をしていた。 嫌な予感がする…… 「たけちゃん、なんか俺、選択肢を間違えた様な気がする……」 天女の後頭部越しに尊に語り掛ければ、尊は苦笑を浮かべた困り顔だ。 「いっちゃん……俺も同感だ」 「たけちゃん、俺、不安だ……」 「いっちゃん……俺も、振り回されそうで怖いよ……」 「貴方達、ひそひそやってないで、早く行きましょう!?」 ぐいぐい俺達の腕を引っ張り、ずんずん足を進める先生に引き摺られる俺達は――晒し者になっていた。 昼休みまでにはまだ少し時間がある校舎内だが、ここの所暖かいせいかどこの教室も窓を開放しきっていて、廊下を歩く俺達が丸見えなのだった…… 「いっちゃん……なんか恥ずかしいよ~」 顔をほんのり赤らめ、尊は俯いてしまう。 俺も、恥ずかしい……
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