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極力、視線は意識しない事にした。
じゃないと、あまりの羞恥で憤死しそうだ!!
他の事を考えようとして閃き、
「あっ!?」
そう言えば、あの札ってどう言う意味だろう?
「先生ー」
「なあに、いっちゃん?」
すっかりお友達だ……
まあ良いや、気になった事を片しておこうっと。
「ぶら下げた札に、用があったらクッキーにって書いてあったけど、何で?」
堕天女にゃ、もうタメ口で良いや!
「えっ、クッキーなんて書いてないわよ?」
先生、先生、と尊が天女を呼ぶ。
「いっちゃん独自の日下部先生の呼称なのです」
「あら、そうなの? でも何故クッキー?」
「日下部の 『く』 と、たけちゃんと食べようと作って来たおやつのクッキーを……あンのヒモイケメンが奪ったからじゃァー!!」
あの時の屈辱を思い出しながらつい叫んでしまった俺を、どうどうと尊が宥める。
あっ、余計に注目浴びちゃった……はずっ!!
こそこそと立ち去る俺達に、冷たい視線が突き刺さる。
「ヒモイケメンって、正義にピッタリね?」
クスクス笑う堕天女は、俺の頭を優しく撫でた。
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