1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
「師匠、たんこぶは大丈夫?」
新田は心配顔で、ごちになりますっと受け取った。
「うん、大丈夫」
痛みも薄らいだし、たぶん大丈夫だ。
「で、先生は何故ここに?」
川北の問いに、先生はうふっと笑う。
「今月ピンチなのって言ったら2人がね、お昼の面倒みてくれるって言うの」
なっ、なんですと―!?
うわあ、やっぱりだよ!!
嫌な予感当たったよ!!
今月の昼飯、全部たかる気で居やがる!!
「「そんな事は……」」
言ってないと返そうとした俺達に、キラリと光る射すような先生の視線が注がれた。
ぞくり、と悪寒が走る。
「ねぇ~?」
賛同を求める声に、俺達は頷くしかなかった。
「「そうですね」」
「先生も2人と食べるわ、教室でいいの?」
「「そうですね」」
放心状態の俺達は、機械のように動きながらサンドイッチを机に広げ、カフェオレを用意し、席につく。
適当に腰を下ろした小田切先生は、
「じゃあ、頂きます♪」
サッサと食べ始めた。
美味しい、美味しい、とパクパク食べる先生は、子どもの様に嬉しそうに食べている。
その無邪気な姿を見てたら、まあ良いかって気になってきた。
最初のコメントを投稿しよう!