三匹目 レッサーパンダは 惑う!?

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こいつ、本当に最低だ!! 他人の弱味を握りたいが為に新聞部に席を置くと言われる南は、部のパソコンの情報をかなり悪用する幽霊部員として有名だ。 「腐女子達の情報料も入れて、差し引き14400円の儲け!?」 「えぇ~、ぼろ儲けじゃないか!?」 抗議の声を上げる俺達に、やっぱり南は愉しそうに笑い掛けてきた。 「あんな隙だらけな姿を晒している方が悪い、と思うがな?」 最も、と南は続ける。 「彼女達はお得意様なんで、流用・転売禁止を条件に安価で流してやったから、儲けは考えていない。 本当の儲けは、写メだしな?」 「まさか……他にも撮って……売り捌いた……?」 ニッコリと、南は笑う。 「余裕で夏休みが過ごせる程、儲かりました」 「「いやぁー!!」」 俺達は、ムンクの叫び状態だ!! あ゙あ゙っ、一体どれだけ出回っているんだ、俺達の間抜け面は!? わからない…… 「いっちゃん……俺、もう諦めた……」 尊は両手を上げて、降参ポーズだ。 俺はちらりと南を見、悔し紛れに額からペリッと剥がした湿布を投げつけてやった。 湿布はあっさりキャッチされ、ゴミ箱に投げ込まれていく。
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