四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

2/50

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
『たんこぶ兄弟』『ラブラブ平凡』『天女の“飯"使い(メシツカイ)』――新たな称号を次々と手に入れた俺は、すっかりぶーたれていた。 昼休みの後から放課後の現在まで、ずっと晒し者になっていたんだ。 不貞腐れもするよ、まったく!! 携帯片手に色々な生徒が現れては、ひそひそ、きゃぴきゃぴ囁きながら俺と尊を観察していきやがる。 流石に写メろうとする者はいなかったが……南が売り捌いた写メのせいだとわかっているが、今更どうしようもない事で……で…… 「ゔっぎゅーっ!!」 つい、喚いてしまっても仕方のない事だ。 「いっちゃん、諦めて! ほら、行くよ!」 キリッ、と尊が言う。 尊が男前だ!! 「たけちゃん、凛々しくなってる〰」 ハイハイ、と答えながら尊は俺に鞄を2つ持たせ、自分は空の弁当ケースを持つと、俺の手を引いて教室を出て行く。 「ボケずにやる、ボケずにやる……いっちゃんを抑える……」 ぶつぶつと、尊は呪文の様に呟き出した。 ああそうか、たく兄に言われたのか…… 尊……面倒かけて、ごめんね? ぎゅっと繋いでいる手に力を込めると、尊は握り返してきた。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加