四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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部活で賑わう校庭の隅を、俺と尊はこそこそと実習棟目指して歩いて行く。 こそこそしているつもりなのに……見られている…… 部活に励みながら、ちらちら俺達を見る生徒が数名…… 入学して1ヶ月半、こんなに視線を感じた事はない。 俺と尊は目立たない様に、伊織と和美の余波を受けない様に、本当にひっそりやってきていたのに……今日の事で全てが無駄になってしまったらしい…… 悪目立ちしてしまった。 厄日、だ! 「いっちゃん……」 溜め息付いた俺に、尊が衝撃的な真実を告げてきた!! 「今注目されているのは、手を繋いで歩いているからだと思うよ?」 えっ、そうなの? じゃあ、手を離せば良いだけ? なあーんだぁ~、尊、早く教えてよ!? 手を離した俺に、尊は苦笑を見せた。 そして、思い出した様にポケットからなにやら取り出して、はい、と俺に寄越した。 渡されたのは、可愛い紙袋。 入っていたのは、 「マスク?」 ファンシーな熊の絵が付いた、マスクだった。 「中谷達との交渉は俺がやるから、いっちゃんはそれを付けて黙ってるんだよ?」 回答権のないクイズの参加者かい!?
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