四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

5/50

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
再び訪れた実習棟は、昨日と違って妙に賑やかだ。 思わず顔を見合わす俺達…… 校舎内から話し声が、随分聞こえてくる。 「まだ授業中なのかな?」 「そんなはず無いけど……」 取り敢えず4階まで行く事にしたが、手荷物が多過ぎる。 なので、下駄箱の上に空のケースを置いていく事にした。 まあ盗まれたとしても、百均商品だから被害は少なく済むし、汚れたままの入れ物を盗む奴もいないだろう。 (と、その時はそう思っていた……後であんなに後悔するとも知らずに…… はぁ~っ……) 「「よし、行こう!!」」 気合いは入っているけど、誰が見てもびくびくしているのが丸わかりな俺達は……再び手を繋いだ。 校舎内から聞こえてくる明るい感じの話し声も、なんだか逆に不気味で、余計に俺達を怯えさせる。 しかもその声は、目的地の4階から聞こえてくるような気がする。 中谷達かとも思ったが、1人や2人の声じゃない。 10人以上の声みたいだ…… 「いっちゃん……何か、嫌な予感がするんだけど……?」 不安顔の尊に、俺も同意見だ。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加