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再び訪れた実習棟は、昨日と違って妙に賑やかだ。
思わず顔を見合わす俺達……
校舎内から話し声が、随分聞こえてくる。
「まだ授業中なのかな?」
「そんなはず無いけど……」
取り敢えず4階まで行く事にしたが、手荷物が多過ぎる。
なので、下駄箱の上に空のケースを置いていく事にした。
まあ盗まれたとしても、百均商品だから被害は少なく済むし、汚れたままの入れ物を盗む奴もいないだろう。
(と、その時はそう思っていた……後であんなに後悔するとも知らずに…… はぁ~っ……)
「「よし、行こう!!」」
気合いは入っているけど、誰が見てもびくびくしているのが丸わかりな俺達は……再び手を繋いだ。
校舎内から聞こえてくる明るい感じの話し声も、なんだか逆に不気味で、余計に俺達を怯えさせる。
しかもその声は、目的地の4階から聞こえてくるような気がする。
中谷達かとも思ったが、1人や2人の声じゃない。
10人以上の声みたいだ……
「いっちゃん……何か、嫌な予感がするんだけど……?」
不安顔の尊に、俺も同意見だ。
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