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近づくにつれ、話し声は大きくなっていく。
やはり4階に、人が沢山いるらしい。
一体、何故?
だが4階に辿り着いても、人の姿は見られない。
どうやら例の空き教室に、話し声の主達は居るようだ。
「どう思う?」
「わかんない……中谷達の罠とかじゃなければ良いけど……」
状況は、俺達にとって良いのか、悪いのか……?
さっぱりわからないし、読む事も出来ない。
それでも、行くしかない事はわかる。
繋ぎ合う手に力を籠め、そろりそろりと用心深く進……
「いっちゃん、これって用心深いじゃないよ、単なるびびりだよ?」
尊に余計な突っ込みを入れられてしまった!!
「たけちゃんが、冷たい……」
ぐすん、と鼻を鳴らした俺を、尊は苦笑いしながら引っ張り歩く。
そして、ぼそりと呟いた。
「いっちゃん……俺が交渉するから……」
「ん、そうなったらマスクして、大人しくしてる」
「約束だよ? 絶対だよ?」
俺の言葉に、尊はしつこく念を押してきた。
信用……無いのね?
……ボウソウ シチャオウカナ……
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