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「兎に角、何があってもいっちゃんは黙っててね?」
……ウン。
しつこい尊に心の中で頷いてやると、
「いっちゃん、返事は口でする!」
怒られた……
怒った尊は、凄くキリッとしていて格好良く見えた。
ああ、尊ってやっぱりたか兄やたく兄と似ているなぁ……
かなわないなぁ、尊には勝てないや
付け焼き刃でも、一晩で尊は変わった。
頼れる程、強くなった気がする。
だったら俺は、素直に頼ろう。
尊もそう望んでいるのだし――
今回は、尊の言う事をきいておこう。
「うん、たけちゃんに任す」
俺の答えに、尊は笑顔で頷いた。
尊らしい、ふんわりした笑顔で頷いた。
その変わらない笑顔に、少し安心した。
「お取り込み中悪いが、早く来てくれないか?」
前方から聞き覚えのある声が投げ掛けられた。
ヤバい!!
話を聞かれたか!?
焦る俺と尊に声の主・鹿野は、
「良いから、早く来いって!!」
かなり苛ついているらしく、荒っぽい声で俺達を急かした。
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