四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「兎に角、何があってもいっちゃんは黙っててね?」 ……ウン。 しつこい尊に心の中で頷いてやると、 「いっちゃん、返事は口でする!」 怒られた…… 怒った尊は、凄くキリッとしていて格好良く見えた。 ああ、尊ってやっぱりたか兄やたく兄と似ているなぁ…… かなわないなぁ、尊には勝てないや 付け焼き刃でも、一晩で尊は変わった。 頼れる程、強くなった気がする。 だったら俺は、素直に頼ろう。 尊もそう望んでいるのだし―― 今回は、尊の言う事をきいておこう。 「うん、たけちゃんに任す」 俺の答えに、尊は笑顔で頷いた。 尊らしい、ふんわりした笑顔で頷いた。 その変わらない笑顔に、少し安心した。 「お取り込み中悪いが、早く来てくれないか?」 前方から聞き覚えのある声が投げ掛けられた。 ヤバい!! 話を聞かれたか!? 焦る俺と尊に声の主・鹿野は、 「良いから、早く来いって!!」 かなり苛ついているらしく、荒っぽい声で俺達を急かした。
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