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「美原の反撃が、また凄くてねぇ」
やられたら10倍返しの伊織だ、半端じゃない反撃をしただろう。
何度、俺もそれを味わった事か……
俺の今あるこの用心深く(チキン)事なかれ主義(ヘタレ)な性格は、それによって培われたものだと思う。
案の定な、川北の答え。
「中谷の上履きが正門に色付けされて貼り付けられたり、鞄が鶏小屋に糞まみれで捨てられていたり……凄いのは、中谷のロッカー自体が消えていたり」
伊織さん、何してるの――!!
あはははっ、と乾いた笑い声を出したのは、尊だった。
その顔に浮かぶ笑顔は、かなりひきつっている。
「伊織って、そうだった……」
そうだよ、尊!?
君も俺と一緒にやられてるじゃないか……
だから、俺達2人は揃ってこんな性格になったんだよ……
思えば、初めて出会った小学校の入学式で親友になった俺達……俺と一緒に漏れ無く着いてきた理不尽な不幸(伊織と和美による攻撃)に、尊も最初の頃は抵抗してたが、直ぐに白旗を上げ、俺と一緒に耐える様になってしまった。
そして尊は、俺と同類になってしまった……ゴメンね?
でも尊は、俺と親友になれたから良いって言ってくれた。
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