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慌てて教室に駆け込み――ギョッとした!!
戸口で固まる俺達に、ギラついた無数の視線がレーザー光線の様に突き刺さってくる……
「いっちゃん……これは……何?」
「わかんないょ、たけちゃん……」
ぼそりと囁き合う俺達の前には、何の統一性もない男女十数人の生徒達が、俺達を凝視して立って居た。
「怖いよぉ、たけちゃん……」
「だ、大丈夫だよ、多分……」
俺達が怯えるのも、仕方ない。
俺達に向けられている視線は、まるで獲物を狙う肉食獣の様だ。
今にも獲って喰われそうな勢いの目をしてる。
凄く怖い……
だがこれは……
「いっちゃん……何だか知ってる視線の様な気がするんだけど……」
「うん、たけちゃん、大当りだ!!」
「「腐った人達だ!!」」
間違いない、腐女子・腐男子の集団だ!!
ビッ、と指差す俺達の指摘に、彼女・彼等はついっと視線を反らした。
「えっ、えっ、何? 何が腐ってるって?」
黒板の前に佇んでいた中谷が、俺達と彼女・彼等をキョロキョロ見回していた。
健全な中谷は、どうやら腐った人達の存在を知らないらしい。
中谷、まともで良かったね?
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