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「いっちゃん、駄目でしょ?」
悪態ついてたの、尊にバレた……
尊はすっかりお母さんモード……
尊の言葉に、鹿野が片眉を跳ね上げ、俺をじとりと見下ろす。
「成瀬は、不服有りって顔だな?」
俺の方へと伸ばされた鹿野の右手を、尊がやんわりと制した。
「いや、いっちゃんも了承してる。 だよね、いっちゃん?」
「うん……」
有無を言わさない尊って、新鮮だが……怖い。
でもここは、約束通り尊に任せた方が良いのだろう。
俺は渡されていたマスクを付けて、大人しくする事にした。
「「マスク?」」
そんな俺を、鹿野と中谷が怪訝そうに見る。
「いっちゃんが入ると話しが進まないから、緊急処置なんだ」
「了解。 だとよ、宏?」
笑いを堪えながら鹿野は、中谷を顧みる。
「交渉相手は黒岩1人なんだね?」
頷く尊の後ろで、暇な俺は携帯を取り出す。
「仲間にはなるんだよね?」
中谷の言葉に頷きながら、
「だけど一つだけ、認めて欲しい事がある!!」
尊は真っ直ぐ中谷を見返して言い切った。
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