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すっかり落ち込んでいる俺の頭を撫でながら、尊は鹿野と中谷に語り続けた。
「2人は面と向かって俺達にやらせたいんだろうけど、それは逆効果にもなるしね?」
「2人が関わっているとわかると、美原が燃えるって?」
鹿野の問いに、尊は少し首を傾げる。
「燃えはしないだろうなぁ~。 どちらかと言えば、さっさと片付けて俺達にどんな無茶振りしてやろうか、とほくそ笑む――って所だと思う」
「お前等って……」
鹿野の顔に浮かぶのは、『憐憫』だ。
言葉にならない程、気の毒に思われている。
同情するなら、ストラップをくれー!!
思わず心の中で叫んだ俺の頭を、尊がこつんと叩いた。
「いっちゃん、暴走しないで?」
む゙〰っと唸る俺を、鹿野が呆れ顔で見下ろした。
「結構軽いノリっぽいが、平気なのか?」
「平気じゃないよ、無理矢理慣らされたって感じだよ、俺もいっちゃんも」
尊は困った様に笑う。
「何しろ俺は小学1年の頃から、いっちゃんに至っては生まれた時から伊織と向き合ってるから、もう慣れっこだよ?」
あっ、中谷が同情して目をうるうるさせてる(;_;)。
やっぱり、面白い奴だ。
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