四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

16/50

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
ふいっ、と横を向いたら、中谷が泣きそうになった。 撮ってー、と訴えてくる。 イヤ、と首を横に振った瞬間、 「いっちゃん!!」 「宏!!」 2人揃って怒られた…… 「大人しくする約束でしょ!?」 尊お母さんは、メッ、と俺を叱る。 「宏も、お前が言い出しっぺのくせに、真面目にやれよ!!」 鹿野に叱られ、中谷はシュンとする。 ちょっと可哀想だったので、中谷ガンバ!!、と身振り手振りでやってあげた。 俺の応援は、上手く中谷に届いたようだ。 こっくり頷いて、中谷は尊を見やる。 「で、どう言う手法に出るんだい?」 おーっ、中谷、切り替えが速いな。 ニヒルに笑って問う中谷に、さすがに尊も苦笑いだ。 「取り敢えず俺は、ゲーム関係で伊織を手伝わない」 「黒岩、ゲーム得意なのか?」 「得意って程じゃ無いけど……」 鹿野の問いに謙遜して尊は答えたが、俺は違う違うと手を左右に振り、両腕で大きな丸を描いた後に尊を指差し、反対の指でグッド・マークを作った。 「「「……」」」 3人は無言だった…… .
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加