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「……で、だ……」
何事もなかったかの様に、鹿野は尊に視線を戻す。
「黒岩はそれで良いとして、成瀬はどうするんだ?」
無視されたー!?
無視されたー、あ、それ、無視されたー♪
きゃっほーい♪
い・じ・わ・るぅ〰!!
俺抜きで、会話は進んでいく。
「いっちゃんは、弁当を作らないって」
「弁当って――えっ、成瀬が弁当作ってたのか!?」
「そう、俺と和美ちゃんの分も、いっちゃんが作ってる」
尊の言葉に、俺は偉いだろう、と胸を張ったが……又も、無視られた……
毟られた、じゃないよ、無視られた、だよ?
アハハハ……はあ~虚しい……
「いっちゃんは家事が得意なんだ」
もう良いや、尊に任せとこっと。
「俺達が伊織に立ち向かえるのは、これ位なんだけど……」
ダメ、かな?
そんな尊のお伺いに、中谷と鹿野はヒソヒソやり始めた。
――相談中――相談中――
つまんない~
あっ、かがみっちょ、発見!!
壁に貼り着いてるぅ、可愛いぞ。
尊、尊、かがみっちょ!
尊に指差し教えたら、
「いっちゃん、あれヤモリだよ、蜥蜴じゃないよ」
にべもない。
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