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尊のいけずぅ〰
……ヤモリ、持って帰っちゃ駄目かな?
「ダメ」
尊は、あっさり駄目出しをした。
生き物大好き尊は、捕まえたりしない。
ここが居場所なら、移動させてはいけない――尊って、そう考えるんだ。
だから俺は、眺めるだけにした。
「黒岩」
中谷が尊を呼ぶ。
話しが纏まった様だ。
「2人の抵抗は、それで認める」
中谷に言われ、尊はホッと安堵の息を漏らした。
「だが、こちらにも条件がある」
えっ、たく兄の予定には無い事だぞ!?
大丈夫か、尊?
ちらりと様子を伺うと、尊は落ち着いていた。
「どんな条件?」
尊に問われ、2人は顔を見合せ、少し笑う。
そして、2人揃って俺を見た。
?
「「成瀬の弁当……食べてみたい」」
はい!?
「えっ!?」
尊も驚いて、目を丸くしてる。
「えーと……2人の条件って……いっちゃんの弁当?」
2人は頷いた。
「……いっちゃん?」
尊は、どうする?、と訊いてくる。
なので俺は、右手を掲げてから両腕振ってヒラヒラさせて、頭の上で丸を作る。
2人は解説を頼むみたいな顔をして、尊を見た。
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