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「OKだって、でも一回きりだよ、だそうです」
「今の、そこ迄語ってたか?」
尊の解説に、鹿野が首を捻る。
「ジェスチャーは関係無いよぉ~以心伝心でわかっただけだから」
「今の動きに意味無いのかよ!?」
いやいや、俺としてはちゃんと意味持たせてやったぞ!?
マスクの中で、ブーブー尊に抗議していたら、
「怒ってるみたいだぞ?」
鹿野が気付いて、尊に言ってくれた。
「無視して」
尊お母さんは、冷たく言い放った。
泣くぞ!?
本当に、泣いちゃうからな!?
無言の脅しに気付いた尊は、
「後でいっちゃんの大好きなコアラの○ーチ買ってあげるから、もう少し大人しくしててね?」
と言って俺の頭を撫でてきた。
か・ん・ぺ・き・に――子供扱いだー!!
ここは毅然として怒るべきか、はたまた大人しくコアラの○ーチをゲットすべきか!?
……プライドより、食欲の勝利ィ~!!
俺は大人しく、ヤモリさんに話し掛ける事にした。
あのね、尊がお母さんになっちゃってね、冷たいんだよ?
ちらりとこちらを見た(様に見えた)ヤモリさんは、さよならも言わずに壁を登り、天井の僅かな隙間に消えた。
……。
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