四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「OKだって、でも一回きりだよ、だそうです」 「今の、そこ迄語ってたか?」 尊の解説に、鹿野が首を捻る。 「ジェスチャーは関係無いよぉ~以心伝心でわかっただけだから」 「今の動きに意味無いのかよ!?」 いやいや、俺としてはちゃんと意味持たせてやったぞ!? マスクの中で、ブーブー尊に抗議していたら、 「怒ってるみたいだぞ?」 鹿野が気付いて、尊に言ってくれた。 「無視して」 尊お母さんは、冷たく言い放った。 泣くぞ!? 本当に、泣いちゃうからな!? 無言の脅しに気付いた尊は、 「後でいっちゃんの大好きなコアラの○ーチ買ってあげるから、もう少し大人しくしててね?」 と言って俺の頭を撫でてきた。 か・ん・ぺ・き・に――子供扱いだー!! ここは毅然として怒るべきか、はたまた大人しくコアラの○ーチをゲットすべきか!? ……プライドより、食欲の勝利ィ~!! 俺は大人しく、ヤモリさんに話し掛ける事にした。 あのね、尊がお母さんになっちゃってね、冷たいんだよ? ちらりとこちらを見た(様に見えた)ヤモリさんは、さよならも言わずに壁を登り、天井の僅かな隙間に消えた。 ……。
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