四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

20/50

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
ヤモリに迄無視された俺は、薄汚れた窓に歩み寄り、汚れを画用紙代わりにして、指で窓に落書きを始めた。 此処から、校庭がよく見える。 落書きの向こうで、運動してる。 で、背後では、尊がまだ頑張って話してる。 「2人の以心伝心って、一体どんなものなんだ? 結構細かく通じ合っているみたいだが……」 「簡単に言ったら、アイコンタクトの最上級判、かな?」 尊は説明を始めた。 「俺といっちゃんって、一応これでも考えてから喋るタイプなんだけど、考えてる時間が長過ぎて、喋る時には話題が変わってたりして……」 そして、ボケ、扱いされる。 「だからと言って、考えないで喋るとろくな事にならないし……」 朝のたんこぶ事件を思い出したのか、尊の声はちょっと小さい。 「どちらか1人なら良いんだけど、2人揃ってだと倍の時間が必要で……」 そうなると、トロイ、と言われてしまう。 「喋るの、面倒になっちゃってね?」 「「はっ?」」 中谷と鹿野、声を合わせて疑問符だ。 「で、2人の時だけでも喋るの省いたら楽かなって考えて、編み出したのが、以心伝心、なんだ」
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加