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尊を背中に貼り付けたまま、俺は2人に向き直る。
ところで、2人はどんな風に伊織とやり合うのか?――と、ジェスチャーで訊いてみた。
「わかんねーよ!!」
言葉と一緒に、鹿野が俺に飴を投げ付けて来た。
オレンジの飴……いただき♪
飴をポケットにしまい、もう一度ジェスチャーをやろうとしたら、
「マスクとって喋りやがれ!!」
鹿野が又飴を投げ付けた。
今度はレモン味♪
尊にあげる♪
「……ありがとう……鹿野」
飴を口に入れながら、力無く尊は言う。
尊……俺には?
「……いっちゃんは、2人は伊織とどうやり合うのかって……」
「だから、成瀬に喋らせろって!!」
「いっちゃんが喋ると、手が付けられなくなるよ~」
「「……」」
中谷と鹿野が、じとりと俺を見た。
誤解だ!
違う、違う、と振った手を、尊に掴まれた。
「いっちゃん、もう少し良い子にしててねぇ~」
尊……更に扱いが酷くなっていますが……ああ、泣けてくる……
ヤモリさん、俺、悔しいです!
「で、いっちゃんじゃないけど、どうやるの?」
尊に問われ、2人は顔を見合わせて……笑った。
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