1080人が本棚に入れています
本棚に追加
「いっちゃん……俺達って、50円の価値しか無いんだね……」
ガクリと肩を落とし、尊は呟く。
「たけちゃん……タダよりマシだよ……きっと……」
落ち込む俺達を、新田と川北は苦笑を浮かべて見詰め、何やらヒソヒソと囁き合ったかと思うと、俺達の頭を撫で回した。
「相変わらずサラサラふわふわの髪だね」
「手触りが良いよね~何もつけてないから」
俺達って、多分異性として認識されて無いんだね……
もう、慣れたけど
「で、何を内緒話ししてた訳?」
誤魔化されないぞ、と問い掛ければ、2人は苦笑い。
「うーん、まあ、あれだよね、麻希?」
「あれって?」
尊も畳み掛ける。
溜め息ついた川北が、仕方なさそうに口を割った。
「まあ、ほら、何かあってからじゃあ遅いから、飼い主に報告しとこうかって……」
川北にしては歯切れの悪い言葉に、うんうんと頷いていた俺と尊は、ハタッと顔を見合せた。
「「誰が、誰の飼い主……?」」
2人声を合わせて、川北を睨む。
「美原が、成瀬と黒岩の、飼い主」
キッパリハッキリ、川北は答えやがった!!
マテマテ……何時からそんな扱いに……?
最初のコメントを投稿しよう!