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「そうだなぁ、いつやろうか?」
言いながら鹿野は、自己陶酔から抜け出した中谷に目を向けた。
「美原の前で、仲良しお友達、を何度か演じたら、好きなだけあげるよ?」
嫌なやり方だ……
でも、本当なんだろうか……?
伊織が俺達を庇ってるって、本当なんだろうか?
訊いてみよう、今夜……
良い機会だ、少し伊織と話してみよう。
そう思うと、そんな機会を作ってくれた中谷達に、感謝しないとって思える。
考え込んでいたら、尊の携帯が鳴り出した。
これはメールの着信音だな?
たか兄かな?
そろそろお迎えの時間だし――
メールを読んだ尊が、
「いっちゃんじゃないけど、本当にタイムアップだよ~」
と言って、俺から離れる。
「たか兄?」
訊けば、尊は頷く。
「正門で待ってるから、早く来いって」
ならば、と俺は2人を見る。
「取り敢えず、こんなところで、手打ちで良い?」
「そっちが了解するなら、一旦終了だ」
わかった、と頷く俺達に、中谷が思い出した様に、
「明日から、当分は毎日此処に来てもらうよ?」
と言った。
えっ、何の為に?
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