四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

30/50

1077人が本棚に入れています
本棚に追加
/3000ページ
俺の心の中の疑問に、中谷がにっこり笑って答えてくれた。 「僕達は 『レッサーパンダ愛好会』 のメンバーなんだから、ちゃんと活動しないといけないだろ?」 「「はい?」」 なんじゃ、そりゃ!? 「「そんなもん、いつ出来たの!?」」 「今日」 あっさり、中谷は答えた。 「生徒会にも届け出してあるぜ」 吹き出す寸前の笑顔で、鹿野は言う。 「会員は僕達4人で、提出してある」 「俺達には相談無しで?」 ちょっとむっとして訊けば、鹿野はゲラゲラ笑い出す。 携帯を出して、 『レッサーパンダ・ストラップ』 を俺達の目の前にぶら下げた。 「これを見ている時の様子からして、絶対載って来ると思ったからな」 さいですか…… 俺達、そんなに物欲しそうにしてたのね? 「あと、明日の弁当楽しみにしてるからな?」 期待半分と言った顔で、鹿野は言う。 「野郎の手作り弁当なんて、期待してないくせに?」 ふんっ、と言い返してやれば、鹿野は笑いながらまた飴を投げ付けてきた。 今度は珍しい、梨味の飴だ。
/3000ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1077人が本棚に入れています
本棚に追加