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俺の心の中の疑問に、中谷がにっこり笑って答えてくれた。
「僕達は 『レッサーパンダ愛好会』 のメンバーなんだから、ちゃんと活動しないといけないだろ?」
「「はい?」」
なんじゃ、そりゃ!?
「「そんなもん、いつ出来たの!?」」
「今日」
あっさり、中谷は答えた。
「生徒会にも届け出してあるぜ」
吹き出す寸前の笑顔で、鹿野は言う。
「会員は僕達4人で、提出してある」
「俺達には相談無しで?」
ちょっとむっとして訊けば、鹿野はゲラゲラ笑い出す。
携帯を出して、 『レッサーパンダ・ストラップ』 を俺達の目の前にぶら下げた。
「これを見ている時の様子からして、絶対載って来ると思ったからな」
さいですか……
俺達、そんなに物欲しそうにしてたのね?
「あと、明日の弁当楽しみにしてるからな?」
期待半分と言った顔で、鹿野は言う。
「野郎の手作り弁当なんて、期待してないくせに?」
ふんっ、と言い返してやれば、鹿野は笑いながらまた飴を投げ付けてきた。
今度は珍しい、梨味の飴だ。
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