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いそいそと飴をしまう俺に、鹿野は静かな声で返してきた。
「まあそこそこには、期待してる」
「何せ、あの美原がずっと食べ続けてる程だものね?」
中谷もそう言って、笑う。
嫌味な笑顔じゃなくて、意外と優しい笑顔を浮かべる2人だった。
2人には色々訊きたい事が有るのだけど、まあ良いか。
明日も会うのだし、暫く行動を共にする訳だし、ゆっくり訊けば良いよね?
「じゃ、帰るね?」
そう言ったのは、尊。
俺から鞄を2つ共奪って小脇に抱えると、反対の手で俺の手を握り、ちょっと乱暴に俺を引っ張って歩き出す。
歩きながらちらりと顧みると、2人揃ってヒラヒラ手を振って見送っていた。
なんか、意外と憎めない奴等だ。
ちょっと楽しいかも、この2人と遊ぶの。
なんて考えていたら、
「いっちゃん、楽しい?」
尊に訊かれた。
「なんか、なんかね、今迄側に居なかったタイプだったから、ちょっと面白いかなって」
「まぁ、そうだね? 俺といっちゃんって、決まった人達としか接してなかったもんね」
尊、なんか怒ってる……?
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