四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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いそいそと飴をしまう俺に、鹿野は静かな声で返してきた。 「まあそこそこには、期待してる」 「何せ、あの美原がずっと食べ続けてる程だものね?」 中谷もそう言って、笑う。 嫌味な笑顔じゃなくて、意外と優しい笑顔を浮かべる2人だった。 2人には色々訊きたい事が有るのだけど、まあ良いか。 明日も会うのだし、暫く行動を共にする訳だし、ゆっくり訊けば良いよね? 「じゃ、帰るね?」 そう言ったのは、尊。 俺から鞄を2つ共奪って小脇に抱えると、反対の手で俺の手を握り、ちょっと乱暴に俺を引っ張って歩き出す。 歩きながらちらりと顧みると、2人揃ってヒラヒラ手を振って見送っていた。 なんか、意外と憎めない奴等だ。 ちょっと楽しいかも、この2人と遊ぶの。 なんて考えていたら、 「いっちゃん、楽しい?」 尊に訊かれた。 「なんか、なんかね、今迄側に居なかったタイプだったから、ちょっと面白いかなって」 「まぁ、そうだね? 俺といっちゃんって、決まった人達としか接してなかったもんね」 尊、なんか怒ってる……?
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