四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「たけちゃん、怒ってる?」 ストレートに訊いてみれば、 「うん、怒ってる」 ストレートに答えが返された。 「俺がしゃしゃり出たから?」 ピタリと、尊の足が止まる。 繋いだ手にぎゅっと力を込めた尊は、 「怒ってるのは、自分自身に、だよ」 手の力と反対に、全く力の無い声でポツリと呟いた。 「最後迄やりきれなかった不甲斐なさに、結局いっちゃんにやらせてしまった情けなさに、腹がたった」 「たけちゃん、格好良かったよ?」 それだけ言って、今度は俺が尊を引っ張って歩き出す。 なーんにも喋らないで、手だけ繋いだまま歩き続けた。 時々運動部の掛け声が聞こえてくる以外は、何の音もしない。 しんとした校舎は、ちょっと怖い。 陽も落ちてきて、うっすらと暗いのも、余計に怖く感じる。 「たけちゃん、疲れたでしょ?」 訊けば、尊は頷く。 「うん、疲れた……」 「俺、たけちゃんを見直した。 見直したって言うか、たけちゃんってやっぱりたか兄やたく兄と兄弟なんだなって、感心した」 尊は少し照れた様な顔で、下を向く。
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