四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「本当に……格好良かった?」 おずおずと問う尊は、俺の返答をかなり期待した感じだった。 ――ので、俺は徹底的に尊を誉め上げる事にした。 「すっごく格好良かった! たけちゃんがやってるゲームのヒーローみたいだった! きりり、っとして、はきはききびきびして、格好良かったよ!」 尊は真っ赤になって、ニコニコ笑顔だ。 「誉められるって、なんか、気持ち良いね?」 心底、尊は嬉しそうだ。 俺……ちょっと反省した。 俺達って、誉め言葉とは縁の無いタイプだ。 だけど、いつも一緒にいる尊を誉める事は、俺にはいつでも出来た筈だ。 一緒に居すぎて、俺、尊をぞんざいにしてたんじゃ無いだろうか? 尊の凄さを一番知っているのは、俺の筈なのに…… 近過ぎて、忘れてた。 当たり前になり過ぎて、いい加減になっていた。 尊と言う存在を大切にする事を、尊と言う存在が大事だと言う事を、すっかり失念してしまっていた。 「たけちゃん、俺、たけちゃんがとっても大切だよ?」 尊は目を丸くして俺を見つめ――にっこりと笑った。
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