四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「俺も、いっちゃんが大切だよ?」 「うん、ありがとう」 大切に思ってもらえるって、嬉しい。 俺、本当に、尊と出逢えて幸せだ。 「たか兄が待ってるから、急ごう」 そう言って尊は、俺の手を引いた。 なんだか、ほかほかする。 繋いだ手も、あったかい。 尊も同じ気持ちだったみたいで、機嫌良さそうに鼻歌を歌い出した。 とんとんとリズミカルに階段を下りながら、俺達は端から見たら気持ち悪い位の笑顔を浮かべていた。 その笑顔が、固まった…… ない!? 下駄箱の上に置いた筈のケースが……消えた!? 「あれ、あー、無い……ねぇ~」 間の抜けた尊の呟きを耳にしながら、俺はただ茫然と突っ立っているしかなかった。 そんな俺の目の前に、ひらりと何かが差し出された。 「千円……?」 尊の呟き通り、横から差し出されたのは、数枚の千円札だった。 横を見て、更にフリーズした。 そこに居たのは……南だった。 「ほら、和泉の取り分だ」 千円札をヒラヒラさせながら、南は言う。 って―― 「名前呼び!?」 和泉と呼ばれた事に、真っ先に突っ込んでしまった!!
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