四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「伊織も 『和泉』 と呼んでるのだから、構わないだろ?」 いやいや、伊織と南じゃ違うだろ!? 抗議しようとしたら、ビタンと顔に千円札を叩き付けられた。 「反論は認めない――だろ?」 南は、俺がさっき鹿野に言った言葉を口にした。 何が何やら、さっぱり解らない。 何をどう訊けば良いのか、パニクる俺に代わって、尊がしっかりとした声で南に問い掛けた。 「南、俺達が此処に来るって情報売ったよね?」 「ああ」 「で、デバガメ、してた?」 「してた。 尊が意外と頑張ってたな?」 「俺も名前呼び!?」 「お前等、変なとこに突っ込むな?」 兎に角、と言って南は俺に千円札を握らせた。 「和泉の取り分」 「いっちゃんの取り分って、なに?」 ――!? ま、まさか――!? 「サンドイッチのケースか!?」 俺の怒声に、南はニッと嫌な笑い方をした。 「ご名答」 パチパチと口で言いながら、 「引き上げる腐の軍団に、言い値で売れた」 あっさり白状した。 うわー、うわー、マジ!? 信じられない!! あんな汚れた百均商品、買う奴いるのかよー!!
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