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「なんにしろ、暫くは中谷達と遊んでやれ」
南が本当は何を考えているのか解らないが、下手に逆らうと後が怖そうなので、渋々ながら俺達は頷いた。
ところで……5千円、本当に貰って良いの?
手の中のお札と南を交互にチラチラ見る俺に気付いて、南は苦笑う。
「新しいの買っても、釣りが出るだろ? それとも、足りないのか?」
ぷるぷる頭を振る俺は、思わぬ臨時収入に感激して、言葉が出ない。
そんな俺に代わって、尊が答えてくれた。
「いっちゃんはすっごく喜んでるよ」
「5千円で?」
怪訝そうな南の顔を、俺はただただ感謝して見返すだけで、やっぱり尊が代弁してくれた。
「いっちゃんの小遣いって2千円で、その中から携帯代として千円引かれてるから、実質、小遣いは千円なんだよ?」
「はっ!?」
「だから、臨時収入に感激してる」
「……マジか!?」
おお、南のびっくり顔!!
写メっちゃえ!!
ぴろり~ん、と言う音で、南は我にかえる。
「待て待て、今時、小遣い千円の高校生なぞそう居ないだろ?」
いや、此処に居ます!!
俺はビッと右手を上げた。
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