四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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何故だか、ちょっと複雑な表情浮かべて俺を見ながら、尊は南に語り出す。 「いっちゃん、自分家が貧乏だと思ってんだよね~」 えっ、貧乏だよ? 「だから、小遣いが千円でも仕方ないって考えてて、家のご飯も全部作ってんだけど、1ヶ月の食費を自分の弁当代も含めて渡された5万でやらないといけないって頑張ってて……」 最近、色々値上がりして、ちょっと厳しくなってきたけど、なんとかやれてるよ? 「……ちょっと待て!」 南が暫く考え込み、何やら浮かんだのか、信じがたそうに俺に訊く。 「和泉の家は、伊織の隣のマンション、っつうか、億ション、だよな?」 億ションって、何? 「いっちゃん、億ションって言うのはね、言葉通り億の金額がするマンションの事なんだよ?」 「えっ、家って、そんなにするの!? えっ、でも母さん、家は貧乏だから生活が大変で……だから千円しかあげられないって……和美は女の子だから色々必要だから俺より多いけど、良いよねって……」 「「……」」 尊と南、2人揃って同じ表情を浮かべている。 憐れむ様な、呆れた様な、同情する様な、兎に角変な顔して俺を見てた。
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