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語り終えると、たく兄が頑張ったな、と誉めてくれた。
「しかし、愛好会に加わるとなると、こそこそ抵抗はむりだね? 南と言う彼からバレているし、仕方ない、伊織に全部話して了解して貰っとこうか」
たく兄の言葉に、俺と尊は頷いた。
伊織が俺達を庇ってくれていたなら、ちゃんと言わなきゃいけないものね?
「たく兄……伊織、なんで俺達を庇ってるんだろ?」
尊が問うと、たく兄は笑った。
「都織以上に目が離せない、手の掛かる弟達――と、何時だったか伊織が言ってたよ」
「ほっとくと知らない奴にのこのこ付いていくし、ぼんやりしているからいらないちょっかい掛けられてからかわれてるし、守んなきゃいけないから喧嘩の勝ち方教えてくれ――伊織が俺にそう言ってきたのは、お前達が友達になって直ぐだ」
運転しながら、たか兄も言う。
そんな頃から俺達は、伊織に守られてたのか……
でも……
「「だったらなんで、伊織は攻撃してくるの?」」
「まあ、あれだよな、タク?」
「だね、兄さん」
?――わかんないぞ?
「要するに、可愛いから苛めたくなる、と言うやつだよ?」
たく兄が、気色の悪い事を言った。
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