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「「ないない!!」」
俺達の否定に、たく兄は苦笑う。
「お前達相手だと、流石の伊織も報われないね」
だって、あの伊織だよ?
そうそう、伊織だものねぇ?
俺達を可愛い、なんて――
「「絶対、あり得ない!!」」
きっぱり言い切ったら、うわあー、とたく兄に喚かれた。
「以心伝心の結論が、それ!?」
「こうなると、伊織の方が可哀想だなぁ」
「兄さん……今度伊織に、労いのツーリングでもしてやって?」
「だな? 前々から頼まれてたし、連れて行ってやるか」
伊織の事はまた後で、と言いながらたく兄は、とっても美味しい伝言をくれた!
「父さんが、和泉嫁入り記念の焼き肉パーティーだ、と騒ぎながら店に予約してたから、今夜は焼き肉だよ」
お肉……肉!?
「まじ!?」
食い付いたのは、恥ずかしながら、俺1人……
「いっちゃん……お肉より、 『嫁入り記念』 に気付こうよぉ~」
尊にじと目で見られてしまった……
けれど、俺の頭の中はお肉でいっぱいで、ぽわんぽわんで、会話は聞こえていたが、頭の中を素通りしていた。
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