四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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「「ないない!!」」 俺達の否定に、たく兄は苦笑う。 「お前達相手だと、流石の伊織も報われないね」 だって、あの伊織だよ? そうそう、伊織だものねぇ? 俺達を可愛い、なんて―― 「「絶対、あり得ない!!」」 きっぱり言い切ったら、うわあー、とたく兄に喚かれた。 「以心伝心の結論が、それ!?」 「こうなると、伊織の方が可哀想だなぁ」 「兄さん……今度伊織に、労いのツーリングでもしてやって?」 「だな? 前々から頼まれてたし、連れて行ってやるか」 伊織の事はまた後で、と言いながらたく兄は、とっても美味しい伝言をくれた! 「父さんが、和泉嫁入り記念の焼き肉パーティーだ、と騒ぎながら店に予約してたから、今夜は焼き肉だよ」 お肉……肉!? 「まじ!?」 食い付いたのは、恥ずかしながら、俺1人…… 「いっちゃん……お肉より、 『嫁入り記念』 に気付こうよぉ~」 尊にじと目で見られてしまった…… けれど、俺の頭の中はお肉でいっぱいで、ぽわんぽわんで、会話は聞こえていたが、頭の中を素通りしていた。
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