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だがしかし――母さんって、尊が思う様な善人じゃない!!
あの 『魔界の女帝』 と周囲の男性陣に呼ばれる様な母さんが、そんな優しい筈が無い!!
俺、今日の事で、母さんって人が少しわかった気がする。
あの人は、息子の俺も、手玉に取って振り回している周りの男の人と同じに、単なる便利屋にしか考えてないんだ。
「いっちゃん……それはちょっと悪く考え過ぎだと……」
「ううん、母さんって、そんな人なんだよ、たけちゃん」
「まあおばさんの事は、伊織のお母さんに任せよう」
たく兄に言われ、俺は頷いた。
「そう言や親父の奴、伊織の親父さんに、和泉は貰った、今夜から黒岩家の者だ、とか電話してたぞ?」
おじさん……何がしたいの……?
因みに、俺と尊が親友になった後の父親参観日で顔を合わせた尊のお父さんと伊織のお父さんは……絶句した。
学生時代のライバル同士、だったらしい。
しかも、かなり仲が悪かったそうだ。
で、授業中に美形父さん2人は――俺の取り合いを始めた。
俺は家の息子の親友だ、とかなんとかまじで口論を始める2人を、先生も他の父親も止められなかった。
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