四匹目 レッサーパンダは 立つ!?

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止めたのは、遅刻したくせにえらく堂々と教室に入って来た女て――母さんだった。 俺を取り合う美形父さん2人を目に止めた瞬間、 『和也(カズヤ)のストーカーの片割れ!』 と言って、尊のお父さんを指差した。 『魔界の女帝!』 母さんに返された尊のお父さんの一言は、しんとしていた教室内をざわつかせるには十分で……我に返った担任により、俺共々親3人は退室を命じられてしまった。 「女帝が居ると言う事は……」 廊下に出た直後、尊のお父さんは俺を見下ろしながら、ぷるぷる振るえ出した。 「まさか……まさか、この子は……」 「和也の子供よ」 面倒臭そうな母さんの声を耳にした瞬間、尊のお父さんはがばっと、俺を抱き締めた。 和也、和也、と父さんの名を呼びながら…… 俺の父さんと尊・伊織のお父さん達は同級生で、父さんを奪い合うと言う変な犬猿の仲だったらしい。 フツメンなのに父さんは、人当たりの良さと頭の良さでかなり人気者だったそうだ。 父さん、頭、良かったんだね? 俺、頭も似たかったよ? 心配して現れた尊と仕方なく顔を出した伊織を含め、おじさん達は染々と語り合い始めた。
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