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「ダメー!!」
叫んだのは……寝癖がついた尊だった!!
「たか兄ィ、ダメー!!」
叫びながら走り寄った尊は、ぐいっと俺を引っ張って抱き締めた。
俺を抱き締めたまま尊は、猫が威嚇してるみたいにフーッフーッ言いながらたか兄を睨んでいる。
「……タケ、多分、誤解だぞ?」
「えっ?」
「あのね、たけちゃん、たか兄が日曜日にサン○ャイン連れて行ってくれるって!!」
有給貰えたらな、とたか兄が付け加えた。
そんなたか兄を、尊はキッと睨み付ける。
「たか兄!!」
「はい!?」
「どんな手を使っても、絶対有給貰って!!」
「んな、無茶な~」
「貰って!!」
「……ハイ」
たか兄が折れた!!
尊、凄い!!
たか兄の返事に満足した尊は、にっこり――天使みたいに優しく、俺ににっこり微笑み掛けてきた。
「良かったねぇ~、いっちゃん、連れて行ってくれるって」
「たけちゃん、格好良い! たく兄みたい!!」
尊敬の眼差しで尊を見詰めると、尊は少し照れた。
「いっちゃんの為なら俺、伊織にだって負けない!!」
なんだか尊が変身した!!
凄いぞ!!
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