五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「それに、いっちゃんのが先に生まれてるから、お兄さんにはなれないよぉ~」 うん、そうだね? 俺、6月生まれ、尊は7月生まれだもんね? 俺のがお兄さんだね? やっぱり尊は尊だ、何かが足りない…… でもそんな尊が―― 「だーい好きだぁー」 ぎゅっと抱き付く俺を、ぎゅっと抱き締める尊。 「俺もいっちゃんが大好き!」 「あー、はいはい、ラブラブなのは結構だが、時間が無いから行くぞ?」 荷物を持って、たか兄はドアを開けた。 俺は一度自分の部屋に戻り、ベッドを整えて、室内を見回す。 あっ、父さんの写真しまい忘れた。 ベッドヘッドに貼ってあった父さんの写真を手にして、部屋を出る。 「お待たせ」 尊とたか兄にそう言って、靴を履く。 元栓閉めた、電気も消した、窓も閉まってる。 忘れ物も無し、大丈夫だな? よし、OKだ! たか兄、尊と外に出る。 最後に出た俺は、この家を暫く離れるのに全く未練が無い事に、なんだかなぁ、と思いながらドアを閉めた。 カチャリと鍵を閉め振り返ると、2人が案じる様に見ていた。 「大丈夫だよ?」 俺の言葉に、2人は頷く。
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