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「逆に楽しみなんだよ、たけちゃん家で暮らせるの」
家に居ても1人が多かったのに、尊の家なら1人でいるなんてないもの。
嬉しいなぁ~
むふふ、と笑ったら、2人は苦笑した。
「強がりじゃないんだな?」
たか兄に問われ、俺はしっかりと頷いた。
「なら良い」
たか兄が歩き出した時、たく兄がちょうど現れた。
「少し予定変更、このまま伊織の家に行くよ? ちょうど父さんも来たし、問題のおばさんも間も無く着くそうだから、伊織のお母さんが鉄槌を下すから参加しなさい、と」
そう言ったたく兄の顔色が……悪い。
「タク……何があった?」
問うたか兄に、たく兄は声を震わせて答える。
「本物の夜叉がいた……」
「夜叉?」
首を傾げるたか兄に、たく兄は頷きを返す。
「普段大人しやかな人がぶちギレると、ハルマゲドンでも起こしそうな勢いで――怒り狂い出すんだね……」
それって、まさか……伊織のお母さんの事!?
あの聖母の様な、伊織のお母さんが!?
「うそ……」
思わず呟く俺に、視線が集まる。
「……実子より可愛がってる和泉の事だけに、余計頭にきたんだろうな……」
空気が重い……
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