五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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俺は、ルノが結構好きだ。 噛まれるのは嫌だけど、ルノ自体の事は好きだ。 尊にネットで調べてもらい、手作りわんちゃんクッキーのレシピを手に入れ、ルノが気に入ってくれる様に何度も作り直し、試行錯誤して 『ルノ・クッキー』 を作り上げる程に、ルノが好きだ。 ルノも、俺を気に入ってくれていると思うのだけれど、顔を合わすと挨拶代わりにカプリとやられる。 それが、わからない。 俺が渡したクッキーを運んで行くルノを、香織姉が困り顔で見送りながら、 「いっちゃんのクッキーは、ルノの一番の宝物なのよ」 優しく涼やかな声でそう言った。 居間にあるルノ・ハウスには、ルノの宝物が隠せるルノ・宝箱(俺・作)が置かれている。 ルノの大好きな物が沢山入っている、本当にルノにとっては宝箱だ。 何故か、俺以外誰にも触らせないらしい。 なので、ルノ・宝箱の掃除担当は必然的に俺となった。 宝箱を掃除している時は、ルノはぴったり俺に張り付いて、決して離れない。 盗られないか心配しているのかわからないが、本当にぴったりくっついている。 でも、それが可愛い!
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