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ルノの大好きなオモチャやタオルと一緒に、俺があげたクッキーが、少し減りながらも綺麗にラッピングされたまま仕舞われているのを見ると、ルノが大切にしてくれているのがわかり、嬉しい。
ルノは、本当にクッキーを大切に食べているらしく、無闇に口にしないそうだ。
どうしても食べたくなると、宝箱から取り出し、誰かに出してもらい、一枚だけ口にして、また宝箱に仕舞い込む。
そんなに利口なルノなのに……俺を噛む!
しかも今回は、尊を初噛み、だ!
どうした、ルノ!?
「なんで噛まれたんだろ?」
噛まれた足を擦りながら尊がぼやくと、ふーんと鼻を鳴らした都織が、ああ、と呟きながら俺と尊に顔を近付ける。
くんっと嗅ぐと、
「お前等、今日ずっと引っ付いてたろ? 尊、和泉の匂いがするぞ」
と言ってきた。
都織は伊織の事は兄貴と呼び、俺と尊は呼び捨てだ。
1つとは言え、年上なのに……
ああ、と尊は言う。
「今迄いっちゃんのベッドで寝てたから……でも、いっちゃんの匂いって?」
「和泉は甘ったるい菓子の匂いがする、尊は柔軟剤のフローラル系」
いらん事迄言う――
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