五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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伊織を少しコンパクトにした感じの都織は、その羨ましい整った顔にちょっと意地の悪い表情を浮かべた。 「和泉はお子ちゃまだから、いっつも甘ったるい匂いがする」 ほっとけ!! 「いっちゃんは、お菓子も手作りするからかしら?」 小首を傾げて、香織姉は言う。 「何にしろ、ルノが尊を噛んだのは、間違えただけだ。 同じ匂いがして、見た目も似てるから、和泉と尊を間違えたのさ」 俺、ルノに匂いだけで判断されてる?……いやいや、見た目も入るから、そんな事は無いだろう……と思いたいよ、ルノ…… 「でも、なんでルノはいっちゃんを噛むんだろ?」 尊、それは俺も知りたい。 そう考えていたら、疑問はあっさり解決した。 「それはね、ルノの癇癪(カンシャク)なの」 「癇癪?」 「ルノ、毎日でもいっちゃんに会いたいみたいで、毎日会えてる時は噛まないでしょう?」 うん、香織姉が言う通りだ。 続けて会ってる時は、噛まれてないや。 「日が空くと、会いたかったのに来なかった、と癇癪起こして噛むみたいなのよ」 香織姉の言葉に、俺は目が点になる。 俺、ルノに愛されてたの?
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