五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「いっちゃんは、ルノの一番のお気に入りよ」 香織姉の言葉に、俺は嬉しくて嬉しくて、頬が緩んだ。 「きしょ!」 「なんですってー!? 本当に!?」 失礼な都織の声は、居間から聞こえてきた尊のお父さんの怒声にかき消された。 と同時に、居間から飛び出して来るおじさん。 俺を目に止め、がしりと肩を掴んだ。 「和泉!! 和也の両親――お祖父さん・お祖母さんと会ってないって、本当か!?」 えらい剣幕で訊いてくるおじさんに、ちょっとびびる。 でも―― 「えっとー、おじさん、お父さんは天涯孤独だって母さんが言ってたよ? 母さんも両親居ないって――だから家は、親戚はいないって……」 答えながら、まさか、と思った。 まさか…… 「それも嘘!?」 「あンの雌狐め!! どこまで和泉を弄びやがる気だ!?」 怒髪天に衝くおじさん、般若みたいな顔になってる…… 「おじさん……怖い……」 呟く俺を、おじさんは腰を屈めて見据える。 「いいか、和泉。 よーく聞くんだぞ」 真面目な顔したおじさん、珍しい。 俺は頷いて、おじさんの言葉を待つ。
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