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「和也の両親がやったお年玉さえ猫ババか!?」
怒鳴ったおじさんが、なんだか熱い。
居間が黒なら、こっちは赤だ。
おじさんが、真っ赤な炎を噴出させている(全て俺のイメージだけど……)!
ねえ、母さん……どんだけ俺を騙してるの?
「いっちゃん、お間抜――素直にも限度が有るわよ?」
溜め息混じりに、香織姉が言う。
間抜けを、言い直した……
「香織姉、和泉に落ち度はないぞ? 敵(母)は和泉の性格を熟知してんだ、例え香織姉が加勢したって敵いやしないんだからさ」
珍しく、都織が味方だ。
「それよりも、和美ちゃんだよ」
和美?
和美が、関係ある?
因みに、都織も尊同様、和美をちゃん付けで呼ぶ。
2人共、和美を呼び捨てにして殴られてから、ちゃん付けだ。
都織は香織姉に、
「間違い無く和美ちゃんは、おばさんと一蓮托生ってやつだぞ」
呆れ果てた顔で言った。
「そうだね~、都織の言う通り、絶対和美ちゃん共犯者だよね~」
尊の言葉の後に、ピキッ、と変な音がした。
音は、香織姉から聞こえた。
香織姉を見ると、笑顔を浮かべた白い綺麗な顔のこめかみに、『💢』が浮き出ていた。
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