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「お母さん、おじ様!!」
凛とした声で、香織姉は言う。
「おば様の事は、お二方にお任せ致します。 私は、和美ちゃんと少しお話しして参りますので――」
言うが早いか、その細い小柄な身体のどこにそんな瞬発力が、と驚かされる程の素早さで、香織姉は出掛けて行った。
俺、どうしたら良いんだろう?
あー、し、親戚……
「おじさん……父さんの両親って、どんな人達……?」
訊いてみると、おじさんは幾らか怒りの炎を鎮めて、微かに微笑んだ。
「和也とよく似た、優しい人達だぞ」
おじさんは、ゆっくりと話してくれた。
父さんの父さんは、見た目は父さんとそっくりで、中身はなかなか遣り手の実業家だそうだ。
意外と有名な会社を、経営しているらしい。
父さんの母さんは専業主婦で、ガーデニングが趣味の小柄な可愛らしい人だそうだ。
父さんにはお兄さんがいて、お祖父さんの後継者として頑張っているそうで、奥さんと2人の子供がいて、お祖父さん・お祖母さんと同居している。
子供は2人共男の子で、高校生。
2人共、良い子だよ、と言った。
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