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更に結婚しているお姉さんもいて、今は旦那さんと娘さんとフランスに住んでるって。
「母さんの方は?」
途端に、おじさんは苦虫を噛み潰したみたいな顔になってしまった。
あまり語りたくないらしいおじさんに、俺も問い詰めるのは止めた。
それよりも、
「俺、父さんの家族に会った方が良いのかな?」
「当然だ!!」
とおじさんは言うけど、俺なんかに会いたくないんじゃないだろうか……?
そんな事を考えていたら、尊にぺちっと手の甲を叩かれた。
「いっちゃん!」
メッ、と尊は叱りつけてくる。
「いっちゃんに会いたくないなんて、いっちゃんのお父さんのご両親が思うわけないでしょ!!」
でもね、俺、会った事ないし……
会ってどうしたら良いのか、わかんないし……
「いっちゃんのお父さんが亡くなる迄は会っていたみたいなんだから、大丈夫、会うだけで良いんだよ」
尊はそう言うけど、やっぱり不安だ……
「たけちゃん、一緒に会ってくれる?」
にっこり笑って、うん、と尊は頷いてくれた。
良かった!
尊が一緒なら、俺、なんとかなる。
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