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「綾乃!」
「ハイ!?」
「お訊ねしたい事が、幾つかあります」
「な、何で御座いましょう?」
聞き返す母さんに、おばさんは其処へ直れと指示する様に、白い指先で廊下を差した。
「えっ、此処に座れと……? でも、此処、廊下……」
むにゃむにゃ喋る母さんを、両腕組んで仁王立ちしたおばさんが、ギロリと睨み付けた。
仕方なさそうに、母さんは腰を下ろした。
「正座!」
「はい!」
ビシッと母さんは、廊下に正座をした。
うん、流石、おばさん!!
やはり、おばさんのが上か!!
「綾乃、最初の質問です。 いっちゃんに、どこ迄家事をやらせてますの?」
ちらりと母さんが、俺を見る。
その視線を、おじさんが遮る。
「えーと……全部……?」
ギラリとおばさんの両眼が、光りを放つ。
……こ、怖い……おじさん以外、誰も動かないままだ。
「綾乃、貴女、高校生の息子に、家事全部押し付けていらっしゃると?」
「でも、ほら、私、家事出来ないから……」
てへへ、と笑う母さんに、
「天誅!!」
おばさんの怒声と共に、目にも止まらぬ高速の拳骨が母さんの頭に突き落とされた!!
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