五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「綾乃!」 「ハイ!?」 「お訊ねしたい事が、幾つかあります」 「な、何で御座いましょう?」 聞き返す母さんに、おばさんは其処へ直れと指示する様に、白い指先で廊下を差した。 「えっ、此処に座れと……? でも、此処、廊下……」 むにゃむにゃ喋る母さんを、両腕組んで仁王立ちしたおばさんが、ギロリと睨み付けた。 仕方なさそうに、母さんは腰を下ろした。 「正座!」 「はい!」 ビシッと母さんは、廊下に正座をした。 うん、流石、おばさん!! やはり、おばさんのが上か!! 「綾乃、最初の質問です。 いっちゃんに、どこ迄家事をやらせてますの?」 ちらりと母さんが、俺を見る。 その視線を、おじさんが遮る。 「えーと……全部……?」 ギラリとおばさんの両眼が、光りを放つ。 ……こ、怖い……おじさん以外、誰も動かないままだ。 「綾乃、貴女、高校生の息子に、家事全部押し付けていらっしゃると?」 「でも、ほら、私、家事出来ないから……」 てへへ、と笑う母さんに、 「天誅!!」 おばさんの怒声と共に、目にも止まらぬ高速の拳骨が母さんの頭に突き落とされた!!
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