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ガゴッ、と物凄い音がした!!
俺の後ろで、ヒッと尊が小さな悲鳴を上げた。
「いったぁーい!!」
だが、母さんもただ者ではなかった!!
物凄い衝撃の拳骨を受けたにもかかわらず、涙目で頭を擦るだけで――たいして堪えていない!!
俺、敵うわけないや……
「雪ちゃん、痛いよォ~」
さすさす、さすさす、頭を擦りながら、母さんは愚痴る。
そうか、178もある母さんの頭を、155しかないおばさんが殴る為に、態々母さんを座らせたのか!!
なんて感心してたら、
「いっちゃん……変な事に感心しないで?」
と尊に突っ込まれた。
「綾乃、貴女恥ずかしくないのですか!? 高校生の息子に自分の下着を洗わせる母親が、どこにいますか!?」
「ここに……」
要らぬボケをかました母さんに、再びおばさんの拳骨が振り下ろされた。
「だから、痛いって~雪ちゃんってば~」
うん、母さんやっぱり堪えてないや。
「無駄に石頭なのですから、これ位平気でしょう?」
言いながらおばさんは、ボキボキ指を鳴らす。
「次!」
「は、はい!」
「いっちゃんに食費として、お幾ら渡してらっしゃるの?」
「え、5万……」
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