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3度目の拳骨が飛ぶ。
「綾乃、貴女四六時中高級バーで飲み歩いて、月に少なくとも10万は使ってらっしゃるわね?」
「えー、大体20万使って――」
だから、どうしてそこで要らぬ事を口にする!?
4度目の拳骨が飛ばされた。
「綾乃、和美ちゃんに幾らお小遣いを渡してらっしゃるの?」
「5万……」
「いっちゃんには?」
「……」
「お答えなさい!! いっちゃんには幾らあげてるの!?」
「……ニセンエン……」
ぼそりと、母さんは答える。
「おばさん、実質千円だよ~。 いっちゃんのお母さん、いっちゃんの携帯代って言って、千円引いてるから~」
あ゙あ゙〰、尊が要らぬ事を〰
「綾乃! 貴女って人は!」
はい、5度目の拳骨ぅ~
でもね、母さんやっぱり堪えてないから、同情も出来ないや。
「高校生の息子に、今時千円のお小遣いなんて!!」
そこで、又々尊が口を挟んだ。
「おばさん、いっちゃんの部屋って、何も無いんだよ~。 漫画の一冊も無いし、服だって3組しか持って無いし、無料通話分越えちゃうといけないからって、携帯でネットも見ないんだよ~」
尊、まだお母さん……?
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