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俺……なんでこんな母に、騙されてたんだろ……?
香織姉が言う通り、俺って最強の間抜けだわ……
ガックリと項垂れる俺を、ヒョイッとおじさんが片手で抱き上げた。
はずい……
「雌狐……」
「何よ、和也のストーカー!」
母さん、自分で雌狐って認めてるよ?
「和也のご両親に、何故和泉を会わせなかった?」
いつになく真面目な声で、おじさんは母さんに訊いた。
「だって……」
おばさんに何度殴られてもへこたれない母さんが、おじさんの問い掛けにシュンとなった。
「綾乃、答えなさい」
おばさんにも促され、母さんは渋々口を開いた。
「だって……会わせたら、和也の両親、絶対和泉を返してくれないもん!!」
40のオバチャンが 『もん』 って、あんた……いやいや、突っ込む所はそこじゃない!!
「馬鹿か!! お前の親じゃあるまいし、和也のご両親がそんな非道をする訳無いだろうが!!」
何か、気になる台詞が……?
「わかんないじゃない!! だって和泉、和也にそっくりなんだから!! 中身は馬鹿だけど、可愛がってた和也にそっくりな和泉を見たら、絶対欲しくなっちゃうから!!」
馬鹿って……母さん……
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