五匹目 レッサーパンダは 斗う!?

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「じゃあさぁ、和泉、俺が嫁に貰ってやる」 そうすりゃ、母親から離れられるだろ?――と、黙って様子を伺っていた都織がボケた。 「都織、和美ちゃんは?」 そう、尊が言う様に、都織は和美が好きだった筈。 よくアピールして、和美に殴り倒されていた。 「和美ちゃん、脈無しだから諦めた。 それに、和美ちゃんと結婚しても、幸せな家庭に成らない気がする……」 遠い目をして語る都織に、尊は憐れみの眼差しを向ける。 「あー、わかる。 帰ったらゴミだらけ、ご飯も無いって感じだものねぇ~」 すまん、和美!! 兄ちゃんは、弁護出来ない!! 許してくれ!! 「絶対いっちゃんのが、良いお嫁さんに成るもんねぇ~。 じゃあ、俺は都織のお姑さんだあ~」 うん、間違ってるね、尊? 「馬鹿言わないでよ!? 和泉は私のなの、誰にもやらないわよ!!」 母さんが、苛ついた声で怒鳴った。 「「却下!!」」 おばさんとおじさんが、声を揃えて母さんに返す。 「都織の戯言はこの際どうでも良いが、和泉は家でずっと暮らさせる」 厳しい顔と声で、おじさんは言った。
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