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まったく……と、伊織は呟く。
「伊織、遅かったねぇ?」
尊の問い掛けに、伊織はちょっとなと返す。
「良いなぁ、良いなぁ、いっちゃん担いでもらって~」
羨まし気な尊に、伊織は仕方なさそうに俺を下ろすと、今度は尊を担ぎ上げた。
「おぉー、高みの見物だぁー」
尊、意味違う……
いや、ある意味、あってる?
伊織の部屋の前まで来ると、尊の頭をぶつけ無い様にと気を使った伊織は、尊の頭に手を載せ少し屈みながら自室に入る。
攻撃して来る癖に、変な所で優しい伊織……なんだよね~
伊織の部屋は、都織の部屋と違って、すっきりと綺麗に片付けられている。
モノトーンで纏められた、余分な物を置かない部屋。
オーロラの様な都織の部屋と、正反対だね?
椅子に腰を下ろした伊織は、担いでいた尊を膝の上に座らせた。
俺は、伊織のベッドにダイブする。
なんか……つ・か・れ・たぁ~
「……で?」
唐突に、伊織は訊いて来る。
「「……」」
俺と尊は、顔を見合せた。
何を……
何から、どう説明しよう?
先ずは、ストラップ、かな?
だね?
だよ?
話しは纏まった。
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